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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻6号

1964年06月発行

グラフ

新生児眼底出血に関する研究

著者: 小林隆1 河本久1 天野和彦1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.431 - P.432

文献概要

 新生児の眼底を検査することは,Mayer, Maria,Naumoffらの指摘しているごとく,眼底に高度の出血が認められた例においては,将来,弱視,斜視などの障害をもたらすことが予想され,また眼底血管が解剖上,脳血管と密接な関係をもつていることから,頭蓋内出血が肺換気異常,感染,奇形とともに,新生児死亡の主要因子を占めている現在,新生児の眼底検査の意義は大きい。れわれは今回113例の新生児につき出生後3日以内に手持式眼底鏡をもつて,新生児の眼底を精査し,同時に出血の認められたる症例においては眼底撮影を行ない記録の保持と普遍性を図つた。
 眼底出血認められた頻度は21%で諸家の報告の平均値とほぼ一致している.分娩様式と出血との関係をみると正常分娩に比し,鉗子分娩,吸引遂娩に高頻度の出血が認められたが,骨盤位牽出術で娩出せしめた症例では出血が認められなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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