文献詳細
薬剤 妊娠中毒症
KCl添加Hydroflumethiazideの後期妊娠中毒症への使用治験
著者: 上野雅清1 番匠信夫1
所属機関: 1順天堂大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.487 - P.490
文献概要
Chlorothiazideが1957年NovelloおよびSpragueらにより合成され,妊娠中毒症の治療薬剤として登場して以来Benzothiadiazine系薬剤も数種におよび,今日では広く使用されているところである。しかしながらこれら薬剤は長期間単独投与した場合には低カリウム血症を来たすことがあるといわれている。
その低カリウム血症の治療には塩化カリが使用されるが,これを低カリウム血症の予防としてあらかじめ投与することによつてこの問題を解決しようとする試みがSquibb社によつて行われ,Hydroflumethiazideと塩化カリの合剤Di—Ademil-Kがつくられた(第1図)。
われわれはこれを後期妊娠中毒症に使用してその効果とともにKの変動をも観察したので報告する。
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