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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻7号

1964年07月発行

文献概要

Proposal

産婦人科領域における温泉治療

著者: 清水直太郎1

所属機関: 1九州大学温研

ページ範囲:P.507 - P.509

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 先般「臨床婦人科産科」誌から上記の標題で何か書くようにとの依頼をうけ,職責上お引き受けはしたものの,産婦人科方面における温泉治療の現況は,ほかの方面と比べて著しくおくれており,まだあまり開拓されていない研究原野である。我が国は世界的な温泉国であり,温泉の数において,またその種類において極めて恵まれており,神功皇后時代からすでに保養面に活用されたことが古書に明らかであるのに,今日,温泉は観光娯楽との関連で広く親しまれているのに反して,医学的応用面では著しく等閑視されている感がある。著者自身も真に不明のいたりであるが,以前は大して関心をもつていなかつた。その後,温研に関係するようになり,内情に接した今日,改めて医学上冷視される理由を求めてみると,温泉治療のもつ特殊性を誤解し,他の諸治療法と同列において比べるとき,現代向きの急速顕著な変化が認められないことが主たるものではないかと思う。
 温泉治療は他の治療法とは系列を別にしてみるべきもので,一般の治療法を協力援助して,その効果を増強持続させ,治療からはなれて自力更生するのを容易にするのが主体である。例えば軽症の性ホ異和は温泉治療の正常化作用によつて,すなわち自己の臓器機能の規正によつて好転治癒するし,それができない重症のものはホ剤治療と,そのあとの温泉治療による内分泌系機能の正常化によつて治癒達成が容易になると考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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