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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻8号

1964年08月発行

臨床 不妊治療

不妊に対する甲状腺剤の利用

著者: 中嶋唯夫1 柳下晃 畑山道子 高柳和雄 金子豊

所属機関: 1日本赤十字社本部産院

ページ範囲:P.625 - P.630

文献概要

緒言
 排卵障害あるいは黄体形成不全に対しては従来いろいろの治療法とその効果についての報告が見られるが,なお今日幾多の問題を蔵している。
 本邦においては無月経を含む月経異常について松本1)らの諸報告がある,しかしホルモン系についての分析を十分実施しえないわれわれは,実地診療上の治療対策をいかにして決定すべきか苦慮し,昭和36年以来月経障害を訴える婦人に対し,17ケトステロイド,PBI値,BMRを測定し,基礎体温曲線,子宮頚管粘液の消長,Smear-test,内膜診を検討し,必要あればトルコ鞍のレ線撮影,間脳機能検査およびゲスターゲンテストを行なつてのちに,性腺刺戟ホルモン療法,Kaufmann療法あるいはその変法,副腎皮質ホルモン療法,甲状腺剤療法を行なつている。ところで甲状腺と性腺との協関については,山本2)の優れた綜説が見られ,人間の場合にはなお機序が明らかでないが,すでに久しい以前から不妊婦人に甲状腺剤の投与を行ない妊娠の成立を見,甲状腺末投与による習慣性流産の防止,2次的無月経およびmenorrhagiaに対する効果が報告されている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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