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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科18巻9号

1964年09月発行

薬剤 妊娠中毒症

晩期妊娠中毒症に対するヘルタスD錠の使用経験

著者: 武田秀1 長田昭夫1

所属機関: 1鳥取大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.735 - P.739

文献概要

はじめに
 アミノ酸の一つであるアスパラギン酸は種々の代謝機構において重要な経路に位置しており,TCAサイクル,尿素サイクル,核酸合成,アミノ基転移反応などにおいて果す役割は大きい。一方,カリウム,マグネシウムはともに細胞の機能に密接に関係している電解質イオンであるが,このアスパラギン酸のカリウム及びマグネシウム塩の合剤が各種心疾患,肝疾患ほか種々の疾患に臨床的に有効であることが最近立証され,広く応用されるに至つた1)2)3)4)
 ところで晩期妊娠中毒症は発生頻度が高くかつ母子に対して影響が大きく,さらに分娩後に後遺症を残すため母子保健の立場からみても重要な疾患であるが,現在なお本症の発生原因が不明なため定義分類も一定せず病態生理に準拠した適切なる治療法は無い。病態生理上本症において各種器官の機能失調,電解質の平衡失調,各種代謝異常を来すことは既に明らかにされている事実であるが,アスパラギン酸カリウム及びマグネシウム塩の作用機序に鑑みて,われわれは晩期妊娠中毒症患者にL—アスパラギン酸カリウム及びマグネシウム等量混合剤ヘルタスD錠(大日本製薬)を使用し若干の成績をえたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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