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症例 多指症
懸垂栂指を伴つた新生児多指症の1例
著者: 安武豊志男1 宮治誠1 広瀬宣之1
所属機関: 1日本鋼管病院産婦人科
ページ範囲:P.61 - P.63
文献購入ページに移動最近先天異常に関する問題が全国的に取上げられるにおよび,個別的な関心よりも,類型的集団発生的要因の解明に,外表奇形ばかりでなく,内臓奇形の点立で重視されるに至つている。本邦における奇形頻度は三谷教授の調査した80435例では0.91%であり(1953),森山教授の334529例で0.66%であるが(1963),前者は一産院における過去20年余の集計で,1900例の剖険所見を有するのに対し,後者は最近5カ年間の全国諸病院のアンケートによるもので,共に膨大な統計である。剖検による内臓奇形例と流産児例に対する統計上の取扱い方によつて,統計上の数字は報告者によって違つてくる訳であるが,従来の諸報告による奇形頻度は0.4〜1.5%の間にある。
single malformationは全体の約90%を占めるが,一般に外表奇形のうち最も頻度の高いのは指趾の奇形で.そのうちpolydactyliaが最上位である。だが本例の様に皮膚茎を存する拇指の症例は,関係文献を渉猟してみるも,極めてまれなものということができる。
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