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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻1号

1965年01月発行

薬剤

新造影剤DR−47(Popiodol)による子宮卵管造影法

著者: 山口龍二1 鬼怒川博久1 清水秀光1 斎藤良治1 矢島聰

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.71 - P.76

文献概要

はじめに
 子宮卵管造影法はCaryおよびRubinらによつて実用化され,現在では婦人科領域に欠くべからざる診断法となつている。しかしながら本法はそもそも注入造影法であるためえられる影像が使用される造影剤の質,量,注入圧あるいは注入法に支配されることが多く,これらによつて診断が左右されることも間々あることである。なかでも造影剤の質の問題は,他の欠点が実施者の技術あるいは経験によつて克服できるものであるのに対し,臨床医にとつてはどうにもならないことである。このような臨床側の要望から今まで多くの造影剤が作られており,その数はきわめて多い。しかしもつとも一般に用いられているものを大別すればヨード化油(Lipiodol,邦製Molgodal)で代表される油性造影剤とEndografin (Schering)で代表される水溶性造影剤となる。この両者にはそれぞれ長短があり,いずれをもつて優れりとすることはできないが、少なくともわれわれが理想とする条件—数日程度残像を残して完全に吸収きれる—という点からすると水溶性造影剤には決定的な欠点があり,そのため多くの短所を承知しながらもなおヨード化油を用いざるをえないのが現状である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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