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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻10号

1965年10月発行

文献概要

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経口避妊剤と凝固,他

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ページ範囲:P.782 - P.782

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1) Nevin, N.C.;Elmes, P.C.&Weaver, J.A.:Three cases of in—travascular thrombosis occurring in patients receiving oral cotra—ceptives.Brit.Med.J.1:1586〜1589, June 19, 1965
2) Caspary, E.A.&Feberdy, M.:Oral contraception and blood-pla—telet adhesiveness Lancet I:1142〜1143, May 29, 1965
 経口避妊薬で凝固性が亢進するというのはEnavidを用い肺栓塞を発生したという1961年ごろからの報告にひきつづき,本邦でも,たえず問題になっていた。凝固性亢進を見ないという反対説も多いが,19—nor—steroidと血栓形成との緊密な関係は今日では否定できない。(1)の報告は35才婦人,Anovlar 1錠づつ,月経5日後から20日連用を1年つづけた。頭痛,不安,昏迷にひきつづき右の上下肢麻癖,嗜眠,slarredspeech,右瞳孔散大。右は正常だが左内頚動脈は造影法で完全閉鎖。翌日死,第2例22才婦人,左胸痛,セキ,血痰,呼吸困難,頚静脈圧亢進,レ線で左下葉に梗塞様変化。抗凝固剤。肺血管造影で両肺栓塞発見,これはようやく救われた。Conovidを毎月経5日後20日連用,18ヵ月。第3例28才やはり肺栓塞,救われた。Enavid月20日連用10ヵ月。
 (2)の報告はWright法(J.Path.Bact 53: 255, 1941)で栓球凝着能をしらべた。正常新鮮血に患者血漿0.5ml, 0.4ml,食塩水を加えて比較し凝着能を%であらわず,25〜49才の男と同年層で避妊薬を全く用いない女と比較するに,男12名tテスト+2.83,女13名tテスト−1.08で,差は有意。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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