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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻10号

1965年10月発行

産婦人科領域におけるメディカル・エレクトロニクスの応用--第1回臨床大会シンポジウム

分娩監視装置の構想

著者: 坂元正一1

所属機関: 1東京大学産婦人科教室

ページ範囲:P.787 - P.794

文献概要

はじめに
 Electronicsの発達に伴つて,今までえられなかつた生体情報がより高い精度で数多く入手されるようになり,医学の進歩をいちじるしく促すこととなつた。MEが医学領域でしめる役割は注目すべきものがある。分娩監視装置にしても,陣痛曲線,胎児心電図がかなり明瞭な記録として直視できる結果,あたかも機械万能のような錯覚にさえ捉われるのであるが,MEそのものが漸く胎動期を脱した段階にあり,MとEの発達が決して平行していないために,えられた情報の意味あるいは限界の決定に必らずしも結論を出し難いのも実状である。
 方法論においても情報源についても,また情報の意義についても,ME双方になお問題点が残つており,このlimitを知らなければ,無意味な波形の解釈に徒労を払う結果にもなりかねない。しかし,この領域においては一つの点の解決が画期的な進歩をもたらす可能性を含んでおり,活発な情報採取処理法に議論が集中しているのも無理からぬことである。したがつて一般医家にとつてME問題はやや異質の感をもたれるかもしれない。しかしながら,産科学は漸く経験の学開から分析的理論的学問へと脱皮する運命にあり,産科医は好むと好まざるとに関らずMEを駆使する日の来ることは明らかで,そのためにも現状においてMEの適用とその可能性の将来の方向を検討しておくことはきわめて重要な意義を持つと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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