文献詳細
悪性腫瘍の問題点 化学療法
第1回臨床大会シンポジウム
文献概要
はじめに
現在における悪性腫瘍の化学療法は,ペニシリン,ストレプトマイシンの発見前の病原体感染状態にも比較すべき,正に化学療法の黎命期である。手術療法,放射線療法が一応限界と思われるところまで進歩した今日,なおおれわれは再発癌,放射線抵抗性癌,あるいは手術不能癌等の患者に日常遭遇し,日夜その処置に悩まされている現状である。しかるに現在の制癌剤による癌の化学療法は,いまだ単独では癌を治癒させることは,ほとんど期待し難く,手術あるいは放射線療法の補助療法として併用し,いくばくかの生命の延長を期待しているのが現実であるといつても過言ではない。
しかしやがて,病原体の感染症におけるがごとく,化学療法が悪性腫瘍治療の王座を占める時代が必らず到来するであろうし,またおれわれはそれを期待して止まない。かかる黎明期において,その曙光を見出すべく,過去を省み,現状を分析し,将来を期待することは,誠に有意義なことであると考える。
現在における悪性腫瘍の化学療法は,ペニシリン,ストレプトマイシンの発見前の病原体感染状態にも比較すべき,正に化学療法の黎命期である。手術療法,放射線療法が一応限界と思われるところまで進歩した今日,なおおれわれは再発癌,放射線抵抗性癌,あるいは手術不能癌等の患者に日常遭遇し,日夜その処置に悩まされている現状である。しかるに現在の制癌剤による癌の化学療法は,いまだ単独では癌を治癒させることは,ほとんど期待し難く,手術あるいは放射線療法の補助療法として併用し,いくばくかの生命の延長を期待しているのが現実であるといつても過言ではない。
しかしやがて,病原体の感染症におけるがごとく,化学療法が悪性腫瘍治療の王座を占める時代が必らず到来するであろうし,またおれわれはそれを期待して止まない。かかる黎明期において,その曙光を見出すべく,過去を省み,現状を分析し,将来を期待することは,誠に有意義なことであると考える。
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