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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻2号

1965年02月発行

薬剤

更年期障害および閉経後自律神経症に対するインシドンの使用経験

著者: 唐沢陽介1 塚田正1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.155 - P.159

文献概要

はじめに
 婦人に見られる自律神経症は,心因性自律神経症を除けば,その大多数はいわゆる内分泌失調と密接なる関係を持つていると考えられている。女性特有の性機能の周期的変動に応じて,自律神経系もまた一定の律動を有していることも周知の通りである。したがつて,男性に比較して容易にその平衡を失し,病的状態に陥り易い。とくに,女性の内分泌系に顕著な変化が起こるところの思春期,月経期,月経前期,妊娠,産褥,去勢,更年期,閉経後等には好んで自律神経症が発現し,患者を苦しめるこことになるのである。
 したがつて,婦人の自律神経症の治療法としては,いわゆる自律神経安定剤,鎮静剤の投与と共に各種のホルモン製剤投与が好んで行なわれているのである。すなわち,更年期障害のように,内分泌的内部環境の変化が,大きな比重を占めると見なされる場合には,ホルモンの投与が一応主体をなし,自律神経失調が表面に出て,誘因と考えられる流産,分娩,去勢,閉経等がかなり前のこととなるような例に対しては,むしろ自律神経に対する薬剤の使用が望ましいと論ずるものもいる。また婦人の自律神経症が心因的なものに支配され易いことはいなめない事実だから,精神安定剤的なものも大きな意味を持つことが少なくないといわれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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