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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻3号

1965年03月発行

薬剤

新合成化学療法剤Nalidixic Acid (Wintomylon)の基礎的臨床的検討

著者: 松田静治1 磯晴男1 堀江勤1 黒川徹男1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.251 - P.257

文献概要

はじめに
 グラム陰性菌ことに桿菌による感染症は産婦人科領域では日常しぼしば遭遇するもので,特に性器感染症とともに重要な治療対象の一つである尿路感染症のうち本菌が最も検出頻度の高い起因菌であることはよくしられている。しかも近年化学療法の普及に伴なう耐性菌の増加,感染像の変化等により治療に抵抗するグラム陰性桿菌感染症が多くなる傾向にある1)。従来本菌による感染症にはサルファ剤や広スペクトルの抗生物質が用いられて来たが,サルファ剤は中等度ないし重症感染症に効果なく,抗生物質でも感受性成績からみて決して満足すべき結果を収めていないため,薬剤の選択書一層困難を感じているのが現状である2)。したがつて耐性を獲得し難い新抗菌性物質の発見が切に期待されている。かかる機運の中で最近抗生物質でもなく,サルファ剤でもないNaphthy—ridine系の化学療法剤Nalidixic Acid (Winto—mylon, win 18320)が米国で合成され,グラム陰性桿菌に有効なことが報告され,本邦にも登場してきた。
 われわれは,WinthrOP研究所および第一製薬より本剤の提供を受け基礎的実験を中心に検討を行うとともに尿路感染症に臨床応用を試みる機会をえ,この成績を日本化学療法学会のシンポジウムで発表したので以下その概要を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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