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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻4号

1965年04月発行

対談 臨床検査法シリーズ・2

男性不妊の検査をめぐつて

著者: 尾島信夫1 飯塚理八2

所属機関: 1慶応大学 2慶応大学家族計画相談所

ページ範囲:P.308 - P.311

文献概要

(ききて)=不妊を訴える夫婦について,男性側のみ,あるいは男性側にも責任のあるのはどの位の割合でしようか?
 (こたえ)=以前は不妊といえば主に婦人科医が取扱い男性側の検査も必然的に等閑視され,おかしな話でしたが夫の精液検査もしないで子宮後屈の整復手術を試みたり,卵管の再疎通術を行つた人が多い様です。もし手術がうまく行っても夫を調べてみたら無精子症ではどういう風に不妊原因を説明するのでしようか。まことに不自然なことです。考えてみれば不妊の責任は男女の両性が半々に受持つ筋合いです。それを泌尿器科,婦人科という異なった分野から我田引水的に眺めて取扱うところに混乱が起こるでしよう、,戦前にもこのことを憂えて不妊を取扱う人は"不妊科,,とも云うべき知識と技術を習得すべしと唱えた人もおるようてす,すなわち泌尿器科,婦人科の両科にまたがつた知識が要求されるのですが現状では婦人科医が男性不妊をある程度取扱わざるを得ないと思います。その点からも私どもは婦人科附属の施設ですが人工授精などを行つている関係上好むと好まざるとにかかわらず男性不妊のOut lineにふれざるをえません。年間に1000を越す精液検査をしてますがその25〜30%が無精子症です。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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