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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻4号

1965年04月発行

文献概要

薬剤

Palerolの産科への応用

著者: 寺木良巳1

所属機関: 1大森赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.335 - P.339

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はじめに
 分娩が36時間から48時間も長びけば周産期死亡率と死産数がいちじるしく増加するといわれており,これについてnixon1)は分娩時間が36時間以上になれば周産期死亡率は2%から7%に,またGrasset)も14時間以上分娩が進行しないと新生児死亡率は0.45%から5.6%に増加すると述べている。これら異常な分娩遷延を解消し,分娩時間を短縮することは周産期死亡率を減少することからも重要なことと思われる。
 分娩遷延の一因となる微弱陣痛と頸管痙攣は子宮の機能障害によることが多く,特にPercheson3)らは精神神経因子は分娩遷延,頸管開大不全に大いに関与していると報告している。そしてAlv—arezとCaldeyro Barcia4)は痙攣は子宮運動不協力の結果として,あるいはT.D.G.(TripleDescending Gradient即ち三重下降漸減運動)の障害によつて惹きおこされるものであろうと述べている。これら子宮運動の協調性のないもの等に従来Petidine,morPhine等が使用されてきたが,最近に到り抗痙攣薬は分娩第一期において子宮の基礎緊張をとき5)収縮の幅を増し6),それにより遷延した分娩経過も,また正常な分娩経過もともに短縮する結果をもたらすとKneer7)は述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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