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特集 細胞診
絨毛上皮腫の細胞診
著者: 石川正臣1
所属機関: 1日本医科大学
ページ範囲:P.390 - P.392
文献購入ページに移動I絨毛上皮腫の細胞を細胞診で 見出しうるか
子宮癌の診断に関しての細胞診は,大きい価値をもっており広く応用されて日常欠くことのできないほどのものになっている。ところが絨毛上皮腫の診断ということになると細胞診はどうであろうか。文献をさがしてみてもあまり記載がなく,わずかに細抱診によって悪性腫瘍が証明されるのは例外的のものであり,きわめてまれなことであるとか,細胞診で異常細胞を認めた例があるとか記されているに過ぎない。
著者は本腫瘍をもっている患者の腟塗抹標本について厳密な観察をたびたび試みたところ,異常な細胞として濃染する核をもった比較的大きい細胞を少数認めてはいるが,確かに悪性腫瘍細胞であると断定することのできるようなジンチチウム細胞やラングハンス細胞をまだ証明することができないのである。
子宮癌の診断に関しての細胞診は,大きい価値をもっており広く応用されて日常欠くことのできないほどのものになっている。ところが絨毛上皮腫の診断ということになると細胞診はどうであろうか。文献をさがしてみてもあまり記載がなく,わずかに細抱診によって悪性腫瘍が証明されるのは例外的のものであり,きわめてまれなことであるとか,細胞診で異常細胞を認めた例があるとか記されているに過ぎない。
著者は本腫瘍をもっている患者の腟塗抹標本について厳密な観察をたびたび試みたところ,異常な細胞として濃染する核をもった比較的大きい細胞を少数認めてはいるが,確かに悪性腫瘍細胞であると断定することのできるようなジンチチウム細胞やラングハンス細胞をまだ証明することができないのである。
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