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特集〔I〕 産婦人科領域における免疫学の応用 Symposium
免疫学的妊娠反応
著者: 足高善雄1 礒島晋三1
所属機関: 1大阪大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.501 - P.508
文献購入ページに移動はじめに
われわれが,そもそもHCGのImmuno-assayについての研究に手を出すに至つた動機は,その以前から抗精子抗体と不妊症の実験的研究に抗原分析の方法としてタンニン酸処理羊赤血球凝集反応や抗体産生にFreund’s adjuvantを応用して,みるべき成果をえていたためである。
1956年Arquilla及StavitskyがInsulinの測定にImmuno-assayを用いることに成功して以来,やがて蛋白性ホルモンのImmuno-assay時代が出現するであろうとは予測していたが,wideらの1960年における妊娠反応についての研究に刺激されて傍らおれおれもこの方面の研究に着手し始めた。当初にはBoydenおよびStavitsky法を用いていたがその的中率は約80%程度しかえられないのでやや悲観的であつた。その後Wideらの導入したホルマリン法による血球安定化,HCGの56℃における血球への附着法を利用して,始めて今日の如き安定した結果がえられるようになったのである。妊娠とHCGの関係を振返ってみると,おが国における先覚者のこの方面における学問的寄与が如何に大きいかをわれおれは誇りをもって語ることができる。
われわれが,そもそもHCGのImmuno-assayについての研究に手を出すに至つた動機は,その以前から抗精子抗体と不妊症の実験的研究に抗原分析の方法としてタンニン酸処理羊赤血球凝集反応や抗体産生にFreund’s adjuvantを応用して,みるべき成果をえていたためである。
1956年Arquilla及StavitskyがInsulinの測定にImmuno-assayを用いることに成功して以来,やがて蛋白性ホルモンのImmuno-assay時代が出現するであろうとは予測していたが,wideらの1960年における妊娠反応についての研究に刺激されて傍らおれおれもこの方面の研究に着手し始めた。当初にはBoydenおよびStavitsky法を用いていたがその的中率は約80%程度しかえられないのでやや悲観的であつた。その後Wideらの導入したホルマリン法による血球安定化,HCGの56℃における血球への附着法を利用して,始めて今日の如き安定した結果がえられるようになったのである。妊娠とHCGの関係を振返ってみると,おが国における先覚者のこの方面における学問的寄与が如何に大きいかをわれおれは誇りをもって語ることができる。
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