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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻8号

1965年08月発行

文献概要

綜説

酵素から見た子宮内膜の機能

著者: 足立春雄1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.603 - P.607

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まえがき
 婦人の特質の一つのシンボルである月経の発来する機序を明かにするために子宮内膜の病理組織学的な研究がHitschmann u. Adler;Schröderら多くの先人によつて追求されていたことは申すまでもなく,組織学的には今日一応の結論にまで達したものの,これら顕微鏡下にみられる現象を引き起すための,より動的でより本質的な解明は残念ながら未だ十分に行なわれていない。
 そこで子宮内膜の病態生理を細胞または酵素のレベルで動的に観察することに大きな意義が生じて来た。そのためには先ずi)子宮内膜にある種々な酵素の活性とその消長とを証明すること,ii)子宮内膜が増殖期をへて分泌期に変化するために要するenergyの補給,いいかえると子宮内膜自身の代謝に要求されるenergy供与の実体を知ること,iii)月経発来の機序を酵素学的に解明すること,iv)子宮内膜の病変と内膜酵素の変動を探究することなどを逐一検討してゆかねばならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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