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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻9号

1965年09月発行

グラフ

産婦人科病理組織像の見方—難解例が多いとされるKrukenberg氏腫瘍について

著者: 加藤俊1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.691 - P.692

文献概要

 周知の様にKrukenberg氏腫瘍は卵巣に特異な転移巣として発現する腫瘍で,その原発巣はほとんどが胃癌である。(約90%)。したがってその組織所見は原発巣の組織像によってもある程度左右され,症例によつて腺癌像,いわゆる充実性癌像,ビマン性癌像,あるい硬性癌像等々,その他多様な像が認められる。しかもこれらに加えて転移性腫瘍としての特異な細胞配列も加味され,ますます複雑な組織形態を示し,あたかも本腫瘍は一見,全く定型像を欠くような印象をさえ与え,卵巣腫瘍中,もつとも難解な一つとされる傾向がある。(事実,鏡検者の疑・誤診例のもっとも多い腫瘍の一つである)。
 よつて筆者は本腫瘍で過去において数人の病理組織鏡検査者が(臨床医ではなく)疑・誤診に苦しんだ数葉の組織写真を示し,かつ筆者の観点に触れてみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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