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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻9号

1965年09月発行

文献概要

研究

胎盤の炎症性変化について—特にmeconium stainingとの関係

著者: 吉田啓治1

所属機関: 1東京医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.697 - P.706

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はじめに
 子宮内での胎児感染経路は大別して細菌,ビールス,原虫などによる血行性経胎盤感染と,腟内細菌の上昇による上行性感染とに分けることができる。これらの子宮内感染を知る指標としては細菌学的な検索とともに,いずれの場合でも侵襲をうける経路としての胎盤の検査が必要である。とくに組織学的に胎盤の炎症性変化を見出すことであるが,組織の浮腫,発赤,白血球浸潤,出血等の炎症症状は異常に昂進した血管の透過性にもとずくものであろうというのが現在の見解である。すなわちこの血管透過性昂進は炎症巣に産生されたhistamine.あるいはmenkinによるleukotaxine,またはserotoninなどの作用によるという色々の説があるが,最近ではplasma kininによるという説が台頭してきている。そして胎盤病理学老は胎盤の炎症出現の証拠として多核白血球の存在を目標としているが,この胎盤にみられる白血球浸潤は羊水の細菌感染の結果であると,一応妥当な解釈をしている。しかしその他古くは羊水中のpH変化,子宮筋の活動なども考えられたが,近年Morisonは実験的な確証はないがmeconiumが可能な催起因子であろうとのべている。またDominguezやWidholmは臍帯に出現する白血球浸潤が子宮内での児のanoxiaと関係があるといい,特にWidholmはその誘因を羊水中のmeconium混濁に求めている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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