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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻9号

1965年09月発行

落穂拾い・2

多胎性のレコード

著者: 安藤畫一1

所属機関: 1慶応大学

ページ範囲:P.738 - P.739

文献概要

I 人に於ける例
 人類では同1人で同時に妊娠する胎児数が2個以上であるを多胎性(polyembryony)と呼ぶ。双胎は異常とはせず,品胎もさほど珍奇とは思わないが,要胎(4胎,や周胎(5胎)となると,特別な異議のないHellin氏概算表でも,4胎で803〜903(600,000〜700,000)例に1例,5胎で804〜904(約5億5千万)例に1例となり,愈々珍奇組となるのである。外国ではNighoffの文献によると1904年までに27例の5胎があると云う。日本では4胎は7例,5胎は2例の報告があると云う。6胎となるとVasalli (1888年)・Vortisch (1903年)・Bondonin(1904年)の3例だけは,確実である。日本でも吉川が6ヵ月の死産を報告している。レコードと云うべきHamelnの7胎は確実ではないと云われている。
 世界的に周知なのは,1934(昭和9)年5月28日Ca—nada国,Ontario洲,Callander農場で生れたフランス系のカナダ人たるDionne家の1卵性5胎(Quintuplets)である。母は25才で既に6人の子持ちである。私はその誕生4年後にNew Yorkに居てそのお産を取扱つた医師Allan Roy Dafoeに手紙を出して5胎訪問を承諾されながら,都合で訪問しなかつたことを残念に思つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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