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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科19巻9号

1965年09月発行

文献概要

薬剤

新生児出血とThrombo-Test

著者: 舟山達1 相馬広明1

所属機関: 1東京医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.753 - P.758

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はじめに
 新生児出血症(Hemorrhagic Disease of theNewborn)は1894年Townsendによつて提唱されて以来多くの報告があり,新生児の出血は生後4日以内に起ることが多く,それだけ生後1週間以内の観察が必要なことはいうまでもない。
 新生児の生理的凝固障害に関してBrinkhous等(1937)は2段法により,Quick等は1段法プロトロンビン時間法により,何れもプロトロンビンの低下することを報告した。プロトロンビン時間の延長についてはWaadel等(1939)はvita—min Kが有効であることを認めており,またSanford,吉田等は分娩前母体または出生直後の新生児にvitamin Kを投与することによりプロトロンビン時間が短縮するとのべているが,もしも新生児に色々の形で現われてくる出血症状を出生直後より事前に察知でき,しかもそれを予防し,あるいはそれが出現しても,その性状を一早く掴み,軽快せしめることができれば申し分がないと考える。新生児の出血性疾患の多くはこれまで血液凝固学的な因子の欠乏で起こるといわれているが,しかしこれを発見するための,児に対する侵襲も少なく,容易にしかも簡便に診察室でなし得る検査法が見当らなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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