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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科2巻1号

1948年02月発行

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驅梅劑Arsenoxyde (Mapharsen)に就て

著者: 鹽島令儀1

所属機関: 1東京大學醫學部産科婦人科學教室

ページ範囲:P.30 - P.38

文献概要

第1章 緒言
 Ehrlich—秦により「サルゾルサン」(以下サ劑と稱す)が驅梅療法に使用されたことは,爾後の化學療法の基礎を作り上げたと同時に人智に依り系統的實驗の根據の上に完成された最初の化學療法製劑であつた點に於て,醫學史上劃期的事實である。其後,より無毒且使用上便利な砒素化合物に對する要求は,「ネオサルヷルサン」(No.914)(以下「ネオ」劑と略稱す),「ネオ,ネオサルヷルサン」(No.1206)等の製品となつて現れ,他方一度放棄された製品に對する再試の結果はLivaditiの推奬するStovasol (No.594)の如き經口「サルヷルサン」の創製を促し,我國でもOralcid,Osvarsan等が用ひられて居る。他方梅毒に有效な砒素化合物は體内に於て酸化されて其の效力が憎強される事を證したVoegtlin,Rosenthal等の實驗に依り豫てからEhrlichによつて研究された砒素化合物のうち毒性の強いと云ふ理由で顧みられなかつたものに對し注目して居たTatum及びCooperは,遂にArsenoxydeを得た。1934年實驗家兎梅毒に於ける「ネオ」劑との比較上充分の使用價値あること,竝にその他種々の長所につき發表し,その化學構造式の頭文字を組合せてMapharsen (以下「マ」劑と略す)と命名した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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