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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科2巻4号

1948年08月発行

雑誌目次

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文献抄録

ページ範囲:P.38 - P.43

頸管粘液の粘稠度に於ける周期的變化と分泌量及基本温度との關係
 Ellenmae Vieginer, Ph. D. andW. T. Pommerenke, M. D. Am. J. obst. & gyn. vol. 51, 1946,192-200
 從來種々な方法で排卵期の推定が行はれて來たが、我々は4人の健康婦人について基本温度(腟内體温)及頸管粘液の粘液量、粘稠度を對象として研究し、次の樣な結果を得た。

子宮頸部癌手術療法成績報告

著者: 荻野久作 ,   林元四郎 ,   山本富美子

ページ範囲:P.131 - P.142

緒言
 私(荻野)は、昭和15年「産科と婦人科」第8卷9,10號に於て、私の治療成績を報告して岡林術式を推薦して置いた。今回はその繼續として昭和21年末迄の成績を報告する。
 私の前回の發表以後、岡林術式に關しては、同氏の手術1430例の成績が成田氏によつて昭和16年に發表された。この統計には315例(22%)の消息不明者があるため持續治癒率は實際よりも低く示されて居り、眞相はどの程度か明かでないが、進行度第4度のものに於ても11%以上の持續治癒率を擧げて居ると云ふことは、岡林氏の錬達せる手腕を物語るものであらう。岡林術式は相當の經驗ある手術家ならば誰でも實施し得るが、この術式の經驗を積むに從つて治療成績は向上する筈であるから、岡林氏の莫大なる手術例を數時期に分ちて成績を示されたならば後進手術家には多大の參考となつたであらうに、と思ふ。このような意味に於て私の今回の報告は前回の成績と比較するならば多少の進歩が認められ後進手術家にとつては、貧弱ながら一つの道程標ともならうと思ふ。

子宮癌患者の腟分泌液の水素イオン濃度及び腟清淨度に就て並びにラジウム及びレントゲン照射による影響・1

著者: 加藤一男

ページ範囲:P.143 - P.157

第1章 緒論
 腟内細菌群は腟内容のpHにより或は増殖或は絶滅するものであり、又その濃度の差によつて細菌の種類が違つて來る。各種細菌は同一の腟腔内であつてもその好繁殖部位は違ふものである。之はWeinstein (1936),Lewis,Robert M.(1936)Louis (1938),Trussal,Ray,R.F.Mac Doug—las (1940)等によつて詳しく研究されてゐる。一般に健康成熟婦人の腟内容のPHは4.0-4.6で好酸性である「で」菌が獨占的に繁殖してゐる事は周知の通りである。勝野(1926)篠田(1930)等はその相關を調べてゐる。一體pHはどんな條件に左右されるのであらうか。先ず卵巣機能と大なる關係がある。即ち月經週期、妊娠、分娩、産褥に就ては河部(1927),De Giorgi (1939),A.Reist(1940)等の仕事がある。一般に内性器に炎症性疾患のある場合には腟内容物の酸性度が低下する。Piotr,Przytula (1938),Wauro,Richard.V.Warthington,Edger (1938),Weiust,Lou—is,Nestor.W.A.Reist (1940)等は色々な法で測定した。

新生兒哺乳量に關する研究・2

著者: 衞藤毅

ページ範囲:P.158 - P.165

第4節 哺乳量と授乳量との關係
 各日の平均哺乳量及び平均授乳量を比較するに第11表及び第6圖の如くにして、其の差は(式省略)は各日共に3より大にして、哺乳量は授乳量より確實に大なり。又哺乳量と母乳のみを以て榮養せるものの授乳量を比較するに第14表の如くにして第4日以後は有意の差なし。即ち第4日以後は母乳のみを以て榮養したる授乳量は兒の哺乳量を充足せしめ得るも全員の母乳分泌量たる授乳量を以てしては充足し得ず。この詳細は第12表に示す如く、例へば第3日に於て母乳分泌あるものは1336名の97.60±0.41%即ち1304名(この中母乳のみを以て兒の要求量を充し得るものは63.39±1.31%即ち847名なり。)にして、その平均授乳量は178.44±2.92grなり。又その日の兒の要求量たる哺乳量は230.83±2.95grなり。即ち哺乳充足率は77.30±2.75%なり。授乳量を以て哺乳量を充足し得る率は表に示す如く漸次増加し第4日—第12日間は80%代にして最高86%を示し、第13日以後は稍々減少を示す。

卵巣腫瘍に因る分娩障碍

著者: 幾石徹夫

ページ範囲:P.165 - P.170

1.緒言
 妊娠と卵巣腫瘍との合併は稀ではなく、從てその報告も多いが、分娩障碍を來せる例は極めて少い。フランス文献にはKyste de I'ovaire praeviaと記載されてゐるが、その命名は前置胎盤と並んで簡略であり妙を得てゐる。余は最近殆ど日を同じくして斯かる2例を經驗したが、特にその處置に關して興味があるので、以下その臨牀經過を略述し、併せて最近20年間の内外報告50例に就いて考察する。

妊婦の血清内カルシウム・マグネシウム無機燐量の變化に就いて

著者: 野島喜美造

ページ範囲:P.171 - P.177

緒言
 古來より「胎兒は母體の旺盛なる増殖力を有する良性腫瘍なり」といはれる如く妊娠、分娩、産褥、授乳を通じて母體には二重の重荷がゝる。即ち母體はこの旺盛なる増殖力ある腫瘍ともいふべき胎兒に惜氣なく榮養素を供給して健全なる發育を達成せしむると共に、他方母體自身は單なる非妊時の榮養維持とは異れる、分娩、産褥、授乳に準備せる所謂全身的妊娠性變化を遂行せねばならぬ。故に妊婦に於ては總ての榮養素が多量に要求せられその同化、異化作用は昻進し、榮養素は貯藏沈著し、同時に分解排泄作用もたかまれるは自明の理なり。されば妊婦の諸新陳代謝は古くより多數研究せられ解明せられたる所少しとせず。即ち基礎代謝が妊娠の進行と共にプラス4%から13%に迄上昇することは既に多くの研究者により觀察記録され、蛋白質代謝では窒素の畜積が認められ、又脂肪及含水炭素代謝にても亦同樣な觀察が行はれてゐる。鑛物代謝に於ては妊娠時その必要量は増加して母體に貯藏畜積さるる事は多數の研究者により證明せられたる所にして、同時に鑛物質の血液内含有量の變化も亦研究せられしも未だ充分ならず。人體を構成する榮養素としてあげられてゐる鑛物質はカルシウム、マグネシウム燐、ナトリウム、鹽素、カリウム、鐵、銅、硫黄沃素等であるが、余は骨骼形成の主要素たるカルシウム、マグネシウム、無機燐の妊婦血清内含有量變化を追及し、いさゝか結果を得たので茲に報告す。

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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