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子宮頸部癌手術療法成績報告
著者: 荻野久作1 林元四郎1 山本富美子1
所属機関: 1新潟竹山病院
ページ範囲:P.131 - P.142
文献購入ページに移動私(荻野)は、昭和15年「産科と婦人科」第8卷9,10號に於て、私の治療成績を報告して岡林術式を推薦して置いた。今回はその繼續として昭和21年末迄の成績を報告する。
私の前回の發表以後、岡林術式に關しては、同氏の手術1430例の成績が成田氏によつて昭和16年に發表された。この統計には315例(22%)の消息不明者があるため持續治癒率は實際よりも低く示されて居り、眞相はどの程度か明かでないが、進行度第4度のものに於ても11%以上の持續治癒率を擧げて居ると云ふことは、岡林氏の錬達せる手腕を物語るものであらう。岡林術式は相當の經驗ある手術家ならば誰でも實施し得るが、この術式の經驗を積むに從つて治療成績は向上する筈であるから、岡林氏の莫大なる手術例を數時期に分ちて成績を示されたならば後進手術家には多大の參考となつたであらうに、と思ふ。このような意味に於て私の今回の報告は前回の成績と比較するならば多少の進歩が認められ後進手術家にとつては、貧弱ながら一つの道程標ともならうと思ふ。
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