文献詳細
研究
女子副腎性Androgenと骨代謝についての一考察—北陸一地区婦人にみられる特殊疾患に関連して
著者: 西田悦郎1
所属機関: 1金沢大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.7 - P.10
文献概要
その本態は不明であるが,病理学的には骨多孔症Osteoporosisと骨軟化症Osteomalaciaの合併した病像を呈するとされ,X線学的にも同様,脊椎の彎曲・魚椎・骨盤変形・脱灰像・骨皮質菲薄化などの諸変化が認められ,血清無機燐の減少,Alkali-phosphatase値の上昇,尿中糖・蛋白出現などが認められるとされている。本症の治療には高蛋白食,高Calcium (Ca)食,Vitamin (Vit.) D投与などが有効とされ,その重症なものは現在殆ど全くみられなくなつたようであるが,このさいCaやVit. D投与が有効であつたからといつて,ただちにこれらの欠乏が本疾患の原因であると即断するわけにはいかず,一方,その土地の作物や重症患者骨中にCadmium (Cd)などの重金属が多く含まれていることその他から,何らかの重金属がその重要な原因的要素ではなかろうかともされており,その病因論は未だ確立されていない現状にある1)〜7)。
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