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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻1号

1966年01月発行

日常診療メモ・23

産婦人科治療における腸管手術(その1)

著者: 清水直太郎1

所属機関: 1九州大学温研産婦人科

ページ範囲:P.26 - P.31

文献概要

 産婦人科治療は性器,泌尿器を対象とするが,これ等は骨盤内ではとくに腸管と接して存在する関係から,病変の腸管への波及で,あるいは偶発的ないし必然的な腸管損傷のために,多少の腸管手術を同時に行なわねばならぬことは日常経験していることである。
 したがって先哲の言にもあるように腸管手術の一通りのことが実施できる手技,心構えをもっておくことは,産婦人科手術を十分に遂行するためにも必要である。また性器疾患と思つたのが開腹してみて腸管疾患が主体であることが判つた場合なども,試験開腹に終らずにある程度のものまでは適切に早期治療ができることが望まれる。更に既述したごとく尿管瘻の治療に,また人工造腟術に腸管を利用する方法が必要な場合があり,婦人科手術の一部としても腸管手術は必要である。そのほか術後の癒着症,イレウス等の処置も,既往の産婦人科手術の状況をよく理解している術者がするのがもっとも有利であることはいうまでもないことであり,術者としての責任を全うするためにも自分で処置することが好ましい。しかし腸管外科全般を知ることは専門外になり,経験に乏しい著者が云々することは僣越なことであるが,専門外のものが必要に迫られて行なった手術の所感は,熟練した専門家のそれとはまた自ずから異なる処があるものとの考から,以下産婦人科医として心得ておくと便利であり,かつあまりまれでなく実用価値の割合大きい腸管に関する手術について略述してみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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