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臨床
わが教室における絨毛性腫瘍の治療成績
著者: 姉歯皎1 鬼怒川博久1 青葉久夫1 蒔田光郎1 安孫子純夫1
所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.41 - P.45
文献購入ページに移動妊娠と関係のある腫瘍として,臨床的にも組織学的にも特異な存在を示す絨毛性腫瘍は,その組織像でもあるいは臨床面でも種々の態度をとり,予後の面でも最も悪性の経過をとるもの,比較的良性の経過をたどるものなど一律ではない。
したがつて19世紀から現在まで,その研究,報告例は枚挙にいとまがなく,例えばその組織像についても幾多の分類が試みられてきたが,Ewing(1910)にいたり絨毛上皮腫をsyncytialendometritis, chorioadenoma destruens,cho—riocarcinomaに分け,その後Novakも臨床症状,予後を加味してその分類を支持し,現在ではsyncytial endometritisを除いて広くこの分類が採用支持されるに至つた。また治療面においても,手術療法・放射線療法・化学療法・ホルモン療法など諸治療法が行なわれて来たが最近になつてamethopterin療法,vinblastin療法など化学療法の急速な進歩がみられるようになり,さらには絨毛上皮腫の予防という点でも胞状前胎掻爬後のか抗癌剤使用などによりある程度の可能性を見出せるようになつてきた。
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