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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻10号

1966年10月発行

外国文献

妊娠と特発性栓球減少性紫斑病/17α—estradiol の代謝

ページ範囲:P.790 - P.790

文献概要

 Heys, R.F.:Child bearing and idiopathic thrombocyto—penic purpura J.Obst.Gyn.Brit Cwth.73(2):205-214, April 1966.
 妊婦がI.T.P.を合併したという報告はあるが,Tancer (Am.J.Obst.Gyn.79:148,1960)の文献展望では70例ばかりあるに過ぎないという。著者は16〜45才つまり妊振可能年令の婦人で,ITPと診断を受けた例を精査した。全例に1ヵ月以上つづく出血傾向,栓球<104個。これを平均8.5年follow upした。さて50例のうち,妊振完了44例(うち38例は脾摘後)で,脾摘せず妊振を終ったのは4例のみ。この4例のうち2例は妊娠が危険になつた。しかし死亡はなかつた。先のTancerでもITP妊婦死亡10%(非妊ITP1.5〜5.4%)は,母体死亡率が高くなることを示している。したがつて,妊娠したらITP患者では脾摘を行なうべきであろう。また分娩24時間以内の総出血量600ml以上の大出血は24%に発生した。正常分娩では10%だから,ITPでは高率である。しかし出血は胎盤側から起こるのでなく,産科的手術・産道損傷の部から起こつている。したがつて帝王切開その他産科的手術はなるべく避けるべきである。
 つぎに分娩前の大出血(前置胎盤ではない)14%,うち2例は早期剥離であつたが,他は原因不明。この前出血も意義必ずしも明らかでないが,注意を要する。流産7%は殊にITPと関係なし。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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