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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻10号

1966年10月発行

文献概要

薬の臨床

子宮頸癌根治手術後尿路感染症に対するNalidixic Acid錠の使用経験

著者: 関場香1 森山雍方1 当山雄紀1

所属機関: 1岡山大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.853 - P.855

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はじめに
 子宮頸癌根治手術は不可避的に膀胱麻痺ならびに尿管の走行異常や狭窄を招き,いわば尿路感染の準備状態をきたす上に,婦人の外尿道口部はその解剖学的特徴によつて腟内細菌や腸内細菌に悪染されやすく,上行性尿路感染の機会がはなはだ多い,従つて,子宮頸癌手術後の尿路感染症の発生頻度は,他の手術後に比してはるかに高く,三谷1)によれば83%にも達している。一旦,尿路の感染が起こると膀胱機能の回復を遅延させ1)2)3)4)さらに尿路感染を助長させる悪循環を形成するので,子宮頸癌術後の尿路感染を予防し治療することはきわめて重要な問題である。
 今回,著者は岡林式広汎性子宮全剔術後の尿路感染症に対して,1962年ウインスロップ研究所に於いて開発された,新しい合成抗菌製剤NalidixicAcid錠(ウイントマイロン)--以下NAと略称--を試用する機会を与えられたので,その臨床的効果を検討してみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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