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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻11号

1966年11月発行

MY THERAPY in Series・48

分娩時の胎勢異常について

著者: 松岡松男1

所属機関: 1聖路加国際病院産婦人科

ページ範囲:P.911 - P.912

文献概要

 妊娠末期に胎向が第二分類を示している妊婦については,たとえ頭位であつても特にマークしておく必要がある。分娩に際し,しばしば回旋異常を起こす。幸いにして大多数例は分娩進行にともなつて後頭位に回旋するものであるが,少数例では反屈位胎勢となつて,分娩が遷延し,鉗子分娩あるいは帝王切開等の適応となる可能性を覚悟していなければならない。また児頭が固定する似前に破水が起こつた場合は,上肢の脱出も起こり得る。
 外診上第二分類を疑わしめる兆候は,小部分は明瞭でありながら,児背を触知しがたいこと,児心音が深部に,あるいは耳に遠い感じで聴こえることである。この場合,小部分と反対側の外側方に聴心器を当て,水平方向から心音聴取を試みると,明瞭に聴きとることができる。ただし強度の反屈位(顔面位あるいは前額位分娩になる可能性あり)の場合は,心音はかえつて小部分側で明瞭である。これは児の胸壁が子宮壁に密接しているためである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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