icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻12号

1966年12月発行

特集 胎盤

その基礎と臨床

予定日超過と胎盤機能

著者: 塚田一郎1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会稲田登戸病院産婦人科

ページ範囲:P.1005 - P.1008

文献概要

はじめに
 古くから,胎盤には一定の寿命があつて,分娩予定日を過ぎると胎盤に老化現象が起こり,その機能が低下するという素朴な考え方がある。
 特に,1954年Clifford1)がplacental dysfunc—tion syndromeと予定日超過との密接な関係を主張して以来,"placental dysfunction"が予定日超過の病態を特色づけるものとしてクローズアップされてきた。Cliffordのいうplacental dysfun—ction syndromeとは,生理的限度を超えて妊娠が持続すると,1)胎脂が減少してきて皮膚が羊水で浸軟され,生後しばらくすると皮膚が乾燥して落屑をみるようになる,2)胎盤の老化によつて母体からの栄養の供給が減少し,胎児が栄養失調になつて瘠せた細長い体になる,3)胎盤における酸素交換が悪くなるために,胎児に低酸素症ないし無酸素症が起こり,胎糞が漏出して羊水が汚染し,胎児の皮膚,卵膜,臍帯などが黄色または緑色に着色されるというもので,この説明によつて予定日超過と結びつけられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら