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MY THERAPY in Series・49【最終回】
新生児仮死の治療—アシドージスの是正
著者: 金岡毅1
所属機関: 1国立福山病院産婦人科
ページ範囲:P.1013 - P.1014
文献購入ページに移動 新生児が出生直後肺呼吸を開始しなかつたり,またたとえ呼吸が開始しても呼吸不全症候がみられたりする場合,私達は呼吸生理学の知識に基づいて治療すべきであると考える。近年人工心肺を始め成人の呼吸生理学の進歩は著しいが,新生児の領域においてもやつとその応用が行なわれ始めた。
新生児仮死にしても単に娩出児の呼吸現象がみられぬというだけでなく,子宮内の胎盤呼吸から出生後の肺呼吸への適応の障害とそのための代謝異常と考えた方がよりよく理解できる。分娩は程度に差があれ胎児に一時的の酸素供給不全をもたらすが,その程度が軽い場合は出生後の肺呼吸の確立と共に分娩中に胎児が経験した酸素欠乏による代謝異常は急激に改善される。しかしながら酸素供給不全が高度かつ長期にわたる場合は,新生児体内の代謝異常中でも呼吸性および代謝性アシドージスが著明となり,そのため新生児の呼吸中枢は抑圧されてさらに重篤な代謝障害を呈してくる。
新生児仮死にしても単に娩出児の呼吸現象がみられぬというだけでなく,子宮内の胎盤呼吸から出生後の肺呼吸への適応の障害とそのための代謝異常と考えた方がよりよく理解できる。分娩は程度に差があれ胎児に一時的の酸素供給不全をもたらすが,その程度が軽い場合は出生後の肺呼吸の確立と共に分娩中に胎児が経験した酸素欠乏による代謝異常は急激に改善される。しかしながら酸素供給不全が高度かつ長期にわたる場合は,新生児体内の代謝異常中でも呼吸性および代謝性アシドージスが著明となり,そのため新生児の呼吸中枢は抑圧されてさらに重篤な代謝障害を呈してくる。
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