icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻2号

1966年02月発行

臨床

ペニギンC腟錠による重篤なシヨック例とその考察

著者: 杉浦淳三1 真島喜久司1 林公健1 松尾建1

所属機関: 1蒲郡市民病院産婦人科

ページ範囲:P.145 - P.147

文献概要

はじめに
 近来ペニシリンショックについては多くの報告があり,その使用にあたつては,皮内テストをするなど十分な注意がなされている。またペニシリン含有腟錠の使用によつても,局所の発赤腫脹を主としたアレルギー症状,さらにアナフィラキシー様ショックをも起すことは,婦人科医のしばしば経験するところである。そのためわれわれは,ペニシリンを含まない,ペニギンC,トリコマイシンKなど,クロラムフェニコール含有腟錠を使用することが多い。そしてこれらを使用した報告は可成り多く発表されているが,その治療成績は優れ,副作用は殆どないとされており,ただ宮野がペニシリン・カルバルゾン含有腟錠による,カルバルゾン過敏症の1例を報告し,この種の腟錠によるアレルギー様症状は,必らずしもペニシリンによるものでないことを報告しているにすぎない。
 われわれは最近ペニギンC腟錠により重篤なショックを来たした2例を相次いで経験したので,ここに報告し,ペニシリンを含有していない腟錠であつても,その使用にあたつては十分注意すべきであると警告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら