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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻3号

1966年03月発行

文献概要

藥の臨床

産婦人科開腹手術後におけるVMT−908(Vitamogen)の使用経験—特に手術後の排ガスを中心として

著者: 富沢康二1 萩原郁子1

所属機関: 1三重県立大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.231 - P.235

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はじめに
 開腹術後には必らず大なり小なり腸管の麻痺がおこるものであり,これは生理的腸閉塞症と呼ばれている。その回復に要する時間は手術侵襲の程度,手術時間,腸管に対する機械的刺激,開腹にともなう気腹,麻酔方法,術後に用いる鎮痛剤の影響,全身状態などに左右される。通常24〜48時間で腸蠕動が回復し,その後第1回の放屁をみるのであるが,腸蠕動の回復が遅れているのに適当な処置を行なわないと腹部膨満はますます高度となり,さらに重篤なイレウスに移行する場合がある。ゆえにその予防として術後,術中,術後をとおして輸血および水分電解質の補給,理学的療法及び薬物的療法などの種々の予防法が実施されてきている。
 従来,腸管運動が不十分で上部腸管内のガス下部腸管に送られないため腹部が膨満し,排気がなく患者が苦しむときにはいろいろの腸管運動促進法や排気法が行なわれてきたが,VB1も腸管運動障害を予防するための目的で以前からよく術後に用いられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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