文献詳細
薬の臨床
月経困難症に対するエミット錠の使用経験
著者: 一宮勝也1 大塚晴久1 宮川昇1 根岸駿夫1 斉藤仁隆1
所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科教室
ページ範囲:P.315 - P.317
文献概要
月経時にしばしば随伴して種々な症状が強く出現する者を月経困難症と総称しているが,この本態にはいろいろな見解があり,一致したものがえられていない。未婚者では31.5〜97%の頻度の報告もみられ,既婚者でも子宮筋腫,子宮腺筋症などの存在のあるものでは本症を強く訴える。一般的に未婚者においては結婚後消失または軽快するものが多いので,放置しやすい疾患ともいえる。そしてとくに重症のもののみに対症療法が用いられている現状であつた。近年に至りホルモン療法が試みられるようになり,種々なホルモンまたはその混合剤が効果ありと報告されている。しかし,これらのホルモン剤を大量投与することは内因性のホルモンに対する影響も考えられるので使用を否定する見解もある。
著者は月経困難症が自律神経と密接な関係がある点に注目して自律神経遮断剤と経口Gestagenおよび鎮痛剤を混合したものを試み,良好な成績をえたのでここに報告する。
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