icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻5号

1966年05月発行

文献概要

MY THERAPY in Series・43

腹腔内細胞の細胞診—遠沈法とMillipore Filter法について

著者: 小川重男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学

ページ範囲:P.370 - P.371

文献購入ページに移動
 われわれは,卵巣腫瘍の良悪性を術前に判定する目的と術後再発を確認する目的で,腹腔内細胞の細胞診をroutineに採用しているのでその要点を述べ,実地医家各位の御追試をお願いしたい。腹水採集—細胞成分収集—固定—染色—鏡検の順序は,通常の尿沈渣と腟内容細胞診とを合したものと考えればよいが標本作製上2,3注意しなければならない点がある。
 まず腹水の有無であるが,教室の成績では卵巣充実性腫瘍中腹水陽性は79.2%で,この中には20ml〜50ml位の少量の症例が多く含まれており,実際に腹水採集可能と考えられる場合はほぼ5%である。したがつて検査前に腹水貯溜の状態を観察し,穿刺部位,採取法を後述のごとく選定することが必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?