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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻6号

1966年06月発行

文献概要

特集 産科合併症・1

慢性関節リウマチおよび紅斑性狼瘡と妊娠

著者: 大島良雄1

所属機関: 1東京大学医学部物療内科

ページ範囲:P.419 - P.421

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 1.広義の関節リウマチ の中で,リウマチ熱は主として学童の疾患であり,生殖年齢になつてもありはするが,罹病(急性発症)期間は比較的短く,妊娠に対する影響はリウマチ性心炎の結果としての心弁膜症,特に心不全と関連した問題が中心となるから,筆者の分担する以外の部分と考えて記述を避けた。
 2.全身性エリテマトーデス:紅斑性狼瘡 はそれ自身はなはだ重篤な疾患で,ステロイドの適時大量応用により急性再燃の危機を離脱せしめることが,しばしば可能となり,したがつて昔よりは格段に死亡率減少ないし死亡までの時間の延長がみられるようになつたとはいえ,膠原病全体としての傾向として妊娠という身体的精神的のストレスは望ましいことではない。Ellis Bever—ton2)のアンケートによる調査では,急性エリテマトーデスに罹患した56人の妊娠女性中,流産10例,死産(妊娠中死)14例がみられ,亜急性エリテマトーデス13例中6例の流産があつた。1例ではCreyxによると分娩に際し不幸な転帰をみたという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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