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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻6号

1966年06月発行

文献概要

特集 産科合併症・1

耳鼻科疾患と妊娠

著者: 白岩俊雄1

所属機関: 1東京医科大学耳鼻科

ページ範囲:P.423 - P.426

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はじめに
 妊婦の健康管理の問題が広く注目されてきたので,妊娠に伴なつて起こる耳鼻科の合併症について書くようにという注文がきた。たしかに産科と耳鼻科は一見何の関係もなさそうにみえるが,ちよつと考えこんでみるとこの両科の間にはなかなか切つても切れない関係があることに気づくはずである。耳鼻咽喉科疾患は産科と同じく粘膜疾患である。生理的にも鼻・咽・喉粘膜と婦人科粘膜は共に感覚器である。その上鼻粘膜と性的現象の密接な関連は,一般の人にまで広く知られている。一方が変動すれば他方はすぐその影響を受ける。粘膜からの出血の病態生理なども,鼻粘膜と性器の粘膜とは面白いほどよく似ている。
 このような事実から耳鼻科では古くから性的現象と鼻粘膜の関係が研究されている。1926年にはW. Fliessが鼻粘膜と性器の関係について,60頁に及ぶ論文を出している。日本でも昭和13年第42回耳鼻咽喉科学会総会で,この問題が宿題として松田教授(金大)によつて報告されたし,その後も市原助教授(昭大)などの詳細な報告が出ている。第1表はこれらの研究の抜萃である。いずれも耳鼻科医が経験した報告である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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