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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻6号

1966年06月発行

特集 産科合併症・1

泌尿器系合併症

著者: 宿輪亮三1

所属機関: 1長崎大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.427 - P.431

文献概要

はじめに
 妊娠は形態的意味では1つの子宮腫瘍であり,したがつて妊娠子宮の増大するほど,近接臓器である尿路に対し種々の障害を及ぼすようになる。
 このような妊娠時の尿路障害は1つは妊娠子宮の圧迫によるものであり,1つは胎盤ホルモンによる影響と考えられている。これらの尿路変化はいろいろであるが,要約すると,尿路の拡張およびそれに付随する尿の停滞とみなされる。しかし通常,特に尿路拡張に伴う尿の停滞による尿路感染症の発生あるいは高度妊娠中毒症のごとき合併症を起こさない限り,ほとんどのものが無自覚性に経過し,分娩の終了と共に早かれ遅かれ回復するので,妊婦自身はもちろん,医師や助産婦にとつてもとかく,看過され易いのであるが,一旦,尿路感染症,妊娠中毒症のごとき合併症を起こせば,母体のみならず児に及ぼす影響も大となり,その意味でも,妊婦における泌尿器系合併症の問題は私ども産科医にとつて重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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