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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻6号

1966年06月発行

薬の臨床

男性不妊に対するCyanocobalaminの効果

著者: 飯塚理八1 己斐秀豊1 高橋輝雄1 仁科進弘1

所属機関: 1慶応大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.488 - P.493

文献概要

はじめに
 不妊症を扱うさい,女性側原因と男性側原因に二分される。女性側の原因は複雑多岐に求められるが,男性側では精子の有無,そしてその運動性如何によるものが一部特殊例を除いては主因となる。われわれはそれらを治療により人工授精が可能になり,さらに自然妊娠可能な範囲にまでもつて行くように努力してきた。従来われわれはそれらの治療に関し,男性ホルモン,脳下垂体前葉ホルモン,甲状腺剤,ビタミンA,E,核酸前駆物質,間脳照射等を試みてきたが,いずれも決定的なものはない。
 今回われわれはCyanocobalamin (VB12)が核酸合成において重要視されてきたことから,活発な細胞分裂を行なう精子形成過程にあつて,VB12が意義を有するとの見解から,精子減少症,および運動率の悪いものに1日750〜1500μgのCya—nocobalaminを主剤としたカプセル剤を47例に投与し,いささかの結果をえたので報告する。投与に関しては血中VB12測定,血液一般,内分泌機能,肝腎機能等の検査を行ない,その動態を見た。なお使用薬剤Vitamedinには1カプセル中  S-Benzoylthiamin−0—monophosphate 25mg  Pyridoxine hydrochloride 25mg  Cyanocobalamine 250μmgが含まれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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