icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻7号

1966年07月発行

特集 産科合併症・2

妊娠と心疾患

著者: 小林太刀夫1 伊藤良雄1 奥田佳久1 沢田美智子2

所属機関: 1東大第四内科教室 2東大医学部大学院保健学科

ページ範囲:P.505 - P.509

文献概要

はじめに
 心疾患のある女性の妊娠が全体の妊娠の内でしめる割合は,0.4%(宿輪,蘇)1),1.3%(Ehren—feld et al.)2),0.54%(Dieminger und Graefe)3),2%(加来)4)と大約100人の妊婦に1〜2人の心疾患者がある。妊娠が母体の心疾患の経過にいかなる影響を及ぼすか,また,心疾患が妊娠にいかなる影響を及ぼすかは,内科・産婦人科の立場からそれぞれ多くの研究・考察がなされて来た。しかし,心疾患ある婦人にとつて,妊娠・分娩が無事に終りさえすればよいというものではなく,分娩は直ちに育児の問題とつながり,心疾患を有する既婚婦人の管理にあたるものとしては,育児がいかなる負荷となるかをも考慮して,妊娠・分娩・育児を一連のものとしてとらえていかなければならない。われわれは諸種の医学的検査によるその評価については別稿5)6)にも発表したことであり,ここでは,いわば母性保健の立場からこの問題を考えてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら