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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻7号

1966年07月発行

MY THERAPY in Series・45

胸部外科手術後の妊娠・分娩

著者: 豊田長久1

所属機関: 1大阪市立大学医学部

ページ範囲:P.547 - P.547

文献概要

 はじめに:近年,化学療法および手術療法を中心とする肺結核治療の顕著な進歩にともない,肺結核妊婦も適切な経過観察および処置によつて安全に分娩せしめる事も可能になつた。肺結核治療,とりわけ胸部外科手術をうけた婦人の分娩は健康婦人の場合と違つて当然色々な考慮が払われねばならない。すなわち,分娩時の努責,酸素消費量の増加等に対する母体の順応力,心肺機能を考慮に入れなければならない。
 1)胸部外科手術施行後,妊娠分娩を許可する迄の期間に関して,当教室で全国の結核療養所にアンケート形式の質問を施行した結果によると,その多くは3年との解答を得ている。経腟分娩例の最短期間は自験例では右肺全摘後1年5ヵ月目で無事正常分娩を行ないえた。しかし白験例の心電図学的考察において術後経過年数の短かい症例に妊娠後期ST降下を示すものを多く認め,上原の肺結核患者の手術例についての報告と同様な傾向が得られていることから考えると,手術後3年間は受胎調節することがのぞましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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