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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻8号

1966年08月発行

特集 産婦人科医のための臨床薬理・1

いたみと発熱のための薬物

著者: 水野重光1

所属機関: 1順天堂大学産婦人科

ページ範囲:P.613 - P.617

文献概要

はじめに
 産婦人科においていたみと発熱を伴う疾患は,偶発合併症を除けば,ほとんど大部分が感染によるものである。非感染性炎症もないわけではないが,これとて軽度の感染でないと断言することは困難である。
 感染による炎症に対しては,近年非常に進歩した化学療法剤を適宜使用すれば簡単に解決するわけであるが,実際には無効に終る場合も少なくない。これは同一疾患と診断されても,患者によりそれぞれ身体条件が違うばかりでなく,原因となる細菌の側からみても使用各種薬剤間に感受性の相違があり,このことは菌種が違えばもちろんであるが,同一菌種でも感受性は千差万別で,著しい耐性を示す細菌によつて起こつた感染例においては,抗生物質の選択には十分な慎重さが要求される。炎症に対しては化学療法剤が主役を勤めるが,最近は抗炎症剤の併用も試みられている。感染徴候のまだ明らかでない初期には抗炎症剤の単独投与で治療の目的を達することも多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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