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薬の臨床
メサルモンFの臨床使用経験
著者: 福田透1 曾根原衛雄1 松浦敏男1 桜井皓一郎1
所属機関: 1信州大学産婦人科
ページ範囲:P.663 - P.666
文献購入ページに移動更年期障害をはじめとする卵巣機能の失調症は婦人科一般診療上しばしば遭遇する疾患であるが,それらの治療,特にホルモン療法を行なう際にしばしばその難かしさを痛感させられる。これはは一つにはホルモン失調というcategoryの下に一括される疾患の解明がまだ十分でないことと,さらに生体内における複雑なホルモンバランスの内容や動向の詳細が不明であり,真の生理的バランスを再建することが非常に困難である事に基づくものと考えられる。今日,ホルモンには種々なものが知られているが,それらは生体内にあつて綜合的なバランスの上に身体代謝機能を調整しているものとみられ,この意味から1・2のホルモンの終末的産物を与えたとしても,適切な治療が行ないえないことは明らかである。これに対し最近新しいsteroid合成剤「メサルモンF」は性ステロイドの前駆物質あるいは中間代謝物質を投与して,生体自らの代謝サイクルにのせ,円滑な身体機能をはかることを目的とした薬剤として近時注目されている。吾々は,今回本剤(日本臓器)の提供を受け2,3の検討を試行したので今日までの成績につき報告する。
なおメサルモンF錠は,卵巣や副腎における中間代謝物質であるプレグネノロン,アンドロステンジオン,アンドロステジオールの他,向性腺作用を目的とした,テストステロン,エストロン,及び甲状腺末を含有している製剤である。
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