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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻9号

1966年09月発行

特集 産婦人科医のための臨床薬理・2

シヨックのための薬物

著者: 渋澤喜守雄1

所属機関: 1王子病院

ページ範囲:P.729 - P.735

文献概要

はじめに
 他の多くの病的状態と同様に,シヨック治療の要諦は,それが重症低反相性にならないうちに,発生後長い時間が経過しないうちに,十分にコントロールし回復せしめる所にあるであろう。しかし,一般に,シヨックはいわゆるpoor riskの患者,処療態勢の完備しないときなどに発生しやすい。こういつた相いれない条件のために,シヨックが何をやつても回復しない低反応相に陥るのである。したがつて,シヨック低反応相を招きやすい先駆条件を克服しておくことが,シヨック治療,シヨック低反応化を防ぐひとつの重要な方法である。
 すでに古くからいわれているように,貧血,脱水・低蛋白血症・アシドージスといつた類の先駆状態は,シヨック前に,シヨック発生後なら直ちに,コントロールし回復すべきであろう。アシドージス,CO2蓄積,高K血症などは既存すればもちろんだが,先駆しなくても,シヨックが一旦発生し,ある時間経過すると当然,合併するものであって,それは不整脈・心停止などの原因になりうる。シヨックの早期には冠血流量は激減はしないが,シヨックが長びけば,心筋は機能的にも形態学的にも,明らかな傷害を受ける。ことに冠動脈硬化症の既存する患者では,それが著しい。したがつて電解質の平衡異常は早く発見し早く是正すべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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