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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科20巻9号

1966年09月発行

文献概要

薬の臨床

会陰創傷および乳房うつ積に対するアナナーゼ(Bromelain)の効果について

著者: 斎藤元1 山本和人1 吉田順一1 竹内明美1

所属機関: 1徳島大学産婦人科

ページ範囲:P.765 - P.768

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はじめに
 従来,分娩時の会陰裂傷および会陰側切開後の感染に対して主としてサルファ剤,または抗生物質が用いられてきた。なお同時に訴えられる局所の疼痛に対しては,これをやわらげるために和痛ならびに鎮痛を主目的とした各種の薬が用いられてきたことはいうまでもない。他方,産褥時の乳房の過度の緊満や乳房うつ積のための乳房痛に対する適当な治療法も見当らなかつた。
 近年酵素製剤の開発はめざましく,なかでも蛋白分解酵素の臨床応用はその薬理作用の解明に先立つて普及し,すでにわが産科領域でもかなり広く応用され良好な成績が挙げられている。今回,山之内製薬株式会社の好意により,抗炎症作用および抗浮腫作用を有するといわれる植物性蛋白分解酵素アナナーゼ(Bromelain)を入手し,とくに産科領域における臨床的応用ならびに副作用に関し若干の検討を試みたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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