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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻1号

1967年01月発行

文献概要

Isotope入門(序)

産婦人科学とアイソトープ—その将来への展望

著者: 藤森速水1

所属機関: 1大阪市立大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.61 - P.62

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 物質は原子からできている,が原子はきわめて小さくて見ることはできない。原子の大いさをリンゴ位とすれば,原子が集まつてできている分子は地球程の大いさに匹敵する。
 原子の中心には原子核があり,この原子核は陽電子を有しており,このまわりをいくつかの軽い電子(陰電子)が回転している。原子核はさらに質量1単位と陽電荷1単位とをかね備えた陽子(Proton)と質量がこれと同じであるが電荷を有しない中性子(Neutron)とが若干個密集してできている。それゆえ,原子核は原子核内の陽子の数に相当するだけの陽電荷と陽子の数に中性子の数を加えただけの数に相当する質量を有するわけである。そして陰電子の質量は陽子の質量に比し,きわめて小さいゆえ,近似的に原子の質量は核内に含まれている場合の質量の総和に等しいと考えてよい(陽子の数をその原子の原子序数,あるいは原子番号,陽子の数と中性子の数との合計を原子の質量数という。質量数と原子量とはほぼ同義に用いてさしつかえない)。同じ個数の陽子を持つた原子によつてできあがつた物質を"元素"と呼ぶ。だから同一元素の原子は,やはり同数の電子を持つている。現在知られている元素は103種類(原子番号1番の水素Hから103番目のローレンシウム103Lγ迄)あるが,元素の化学的性質はもつぱら陽子の数によつて定まる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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