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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻10号

1967年10月発行

症例

予定日超過子宮壁の静脈瘤破裂により腹腔内大出血をきたした1例

著者: 伊藤敏1 鈴木孝蔵2 山田章雄2 木村忠一2

所属機関: 1伊藤産婦人科 2東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.827 - P.829

文献概要

はじめに
 子宮や卵管周囲の静脈は,下肢や外陰部の静脈と同様,妊娠時には血流量の増加や,脆弱性の亢進により静脈瘤を作ることもあり,時には,それが破裂を起こし致命的な大出血を起こすこともある。しかもそのさいは,特異的症状を欠くため,診断が非常に困難であり,治療の時期を失して母児の死亡に到ることが多い。しかしながらその発生頻度が,本邦では岸本等の報告例のみというほど非常にまれであるために問題となることが少なかつた。われわれは今回,経産婦で予定日超過18日目に突然下腹部の激痛を訴え来院,開腹術により子宮体後壁下部の静脈瘤の破裂であることを確かめ,幸いにも母児共に救命しえた1例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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