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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻11号

1967年11月発行

特集 妊娠と性器腫瘍

筋腫子宮と妊娠との合併例の取扱い方

著者: 山辺徹1 平井英一1

所属機関: 1長崎大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.871 - P.875

文献概要

はじめに
 子宮筋腫は婦人科領域においてきわめて頻度の高い良性の腫瘍であり,多くは子宮体部に生じるが,ときには頸部にも発生する。従来,本腫瘍とestrogenとの関連性が論じられており,年令的には20才未満ではまれであるが,その後性成熟とともに増加し,40才代においてピークを示し,閉経後は一般に縮小することが知られている。筋腫の婦人では不妊率(長崎大学産婦人科では42.0%)が高いとはいえ,妊孕期においても多く発現することから,当然妊娠時にもしばしば子宮筋腫が合併してみとめられる。さらに近年の高年初産婦の増加から考えれば合併例が増えてくることも想像される。
 このような場合妊娠を維持させることが原則であるが,とくに筋腫が妊娠あるいは分娩の障害となることが予測されうるので,その取扱いに対しては十分慎重であらねばならない。実際には妊娠子宮筋腫と診断された場合,そのまま放置して経過をみるべきか,あるいは積極的に筋腫核出術のような保存手術を行うべきかが問題となる。そのためにはあらかじめ子宮筋腫と妊娠,分娩,産褥との相互に及ぼす影響を知つておく必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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