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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻11号

1967年11月発行

特集 妊娠と性器腫瘍

卵巣良性腫瘍と妊娠との合併例の取扱い方

著者: 山本皓一1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.883 - P.888

文献概要

はじめに
 妊娠と良性卵巣腫瘍の合併は日常の診療ではそれ程珍らしいことではなく,このような例の取扱い方はすでにある程度公式化されていて,産婦人科医にとつては常識的な問題であるとさえいえる。しかし,詳細に検討すると,問題は必ずしもそれ程簡単ではなく,一律的には取扱えない。卵巣腫瘍は発見次第手術的に剔除するという原則は妊娠が合併している場合にも適用されるが,妊娠との関係で手術の時期が問題となる。さらに,妊娠が卵巣に可逆的な腫瘤を発現させることがあるので,問題は複雑となる。このような腫瘤は厳密には腫瘍(neoplasma)ではないので,剔除する必要はなく,剔除することはむしろ間違つているからである。
 妊娠と卵巣腫瘍の合併例についての統計は古くから多数あり,また妊娠と腫瘍の相互の影響などについては教科書や叢書に記載されているので,総論的なことは成書に譲り,ここでは,実地臨床において問題となるような点についてのみ記述したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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